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 えー、まー、要するに某自動車雑誌のパクりなんですが。

 なんか何かの感想文って言うと私的にはもう「これはイイ」って誉めるしかなくなるし、これはダメここはダメってこき下ろすだけの文章を人目にさらすのも何だかなぁ、と。
 ならば、といろいろ理屈つけて分析したりしても、それって何かハズれてないか楽しみ方としてー? という気がするのですよ。
 その点、某自動車雑誌のこの形式のレビューは簡潔でいい所も悪いところも書いてて、しかもそれら全体ひっくるめて「愛」に溢れてる気がするんでとっても好きな訳です。

 てな訳で、本家のセンスには遠く及びませんが、私を幸せにしてくれたゲームたちに関する覚え書き程度の気分でぼちぼち書いていこうと思います。


記号解説
★=凡作。ザ・ガマンの境地。
★★=水準作。たぶん損はしてない。
★★★=傑作。楽しませていただきました。

♪=特筆すべき美点あり。
=どうしても気になる欠点あり。


新着

かえるにょ国にょアリス  〜「20世紀アリス」より〜
アリスソフト(Windows)
史上最強のファンディスクおまけゲーム。「かえるにょ・ぱにょ〜ん」を元にしつつ、さらに進化させ非常に完成度の高いゲームに仕上げたその腕前。キャラ探しの楽しさ、パズル的な思考を要求されるステージ設定。
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18禁じゃないこと(○か?)。ファンディスクであるが故に、キャラクター追加パッチが公開されバランスがヌルくなってしまったこと。
総合
★★★ファンとコンピュータゲームに捧げる老舗の愛。

電脳戦記バーチャロン 〜Operation moon gate〜
セガ(アーケード)
二足歩行ロボットのタイマン戦闘を3Dポリゴンで表現しかつそれを対戦ゲームにするという、ロボットファン長年の夢を実現してしまった根性。同じくそのツボを押さえるためだけに、2本レバーによる操作系をわざわざ構築した努力。
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作った根性は見事だが、その根性の方向性があまりにピンポイント過ぎたこと。商品としてみた場合、ある意味ギャルゲーエロゲーよりも潰しが利かず、かつ広がりが望めないような気が…
総合★★★容姿端麗アタマも切れる。それだけでは人気者にはなれなかったけど、同窓会じゃ必ず話題に上るクラスの片隅の美少女。

電脳戦記バーチャロン −ORATORIO TANGRAM−
セガ(アーケード)
全てにおいてのスケールアップ。自機バリエーションの強化、ゲーム全体のハイテンポ化、2本レバーの可能性を追求した操作コマンドの大幅追加。操作に慣れてキャンセル入力を使いこなせた瞬間に見える、異次元の高速反応の世界。
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その通り、文字通り異次元の世界を作り、その反応速度に付いてこれない者を気持ちよく置き去りにしてくれたこと。
総合★★
実はムラサメNT研究所製、オーガスタも関わったらしい。強くなるとサイコガンダムも呼べます(笑)。


終末の過ごし方
アボガドパワーズ(Windows)
小池定路マンセー。黄昏のオレンジ色が印象的な、とにもかくにも美しいグラフィック、特筆すべきパッケージデザイン。地球滅亡という定番のテーマを下敷きにしつつ、あくまで静かに、怠惰に、恋人たちの短編集としてまとめあげたまことに結構なセンス。
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ちょっと一編あたりが短すぎてお腹いっぱい感にはひたりにくい事。薄味。あと滅亡モノSFのような緊迫感を期待すると大外しすること。(する奴ぁいないか)
総合★★♪
アート指向エロゲーへのブロックバスター。ついでに会社の終末も救ったらしい。

夜が来る! 〜Square of the MOON〜
アリスソフト(Windows)
地味すぎず派手すぎず、流行りでもなく地代遅れでもなく、いい仕事してるキャラデザ。号泣はしないけど、じーんと泣けるいいシナリオ。テンポも緊迫感も良好なRPGシステム。
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それなのに、個々はよくできてるのに、その間のすり合わせにどことなく感じるぎこちなさ。2週3週したいのはやまやまなんだけど、作業化すると途端に苦痛になるRPGパート。
総合★♪素直に「Karenさんマンセー」って言えるなら、きっといいゲーム。

SLG

サクラ大戦
セガ(Windows)
飽きさせまいという意欲に満ちたAVGとSLGの2パートシステム。思わず口ずさむ、いい仕事してる音楽。全編これでもかと溢れるコテコテのサービス精神。
×勧善懲悪としてもどうにもコクの足りない、盛り上がったところでスッと終わってしまうシナリオ。
総合★★★
サービスサービスぅ(はぁと)

サクラ大戦2 〜君、死に給うことなかれ〜
セガ(セガサターン)
依然としてコク不足ながらボリュームは増えたシナリオ。敵が嫌らしくなって歯ごたえの出たSLGパート。時間制限選択肢システムのナイスな緊張感。
×二順目プレイの意欲を失わせるギャルゲーとしては…なクリア所要時間。

総合★★★ど――ですかお客さん!!

高機動幻想ガンパレード・マーチ
SCEI/アルファシステム(プレイステーション)
少年少女が戦場へ赴く理由をしっかり作った悲壮感でいっぱいの世界観。情け容赦ない戦闘パート、そこで生き残るために全く気を抜けない学園パート。それなのに思うに任せない、他人は自分のためにあるわけではない事を見せつけるNPCコントロールAIのすばらしい思想。
×作り込みすぎによる冗長さ。考え行動しなければならない事が多すぎ、かつ一つ一つに手間がかかりすぎて初心者お断りにになってしまっている事。
総合
★★★♪(サクラ大戦+プレステ風味)^哲学。

太平洋戦記Win95
ジェネラルサポート(Windows)
軍艦も飛行機も、何を作るにしても鉱石から始めなければならない偏執的シミュレーティング。戦艦はまるで役立たず、海を駆け回るのは輸送船…と完璧に再現されるシビれるような史実。やっぱこんな貧乏な国が勝てるわけないよねー。
×マウスオペレーションとは名ばかりの操作性。8ビット時代のようなベタ塗りのマップ、線画の兵器図。視覚的には面白くも何とも……
総合あるいは
★★★極北。いちげんさんお断り

アドバンスド大戦略98
セガ(Windows)
軍事ファン感涙の、サブタイプまで完璧に網羅したユニットバリエーション。第三帝国崩壊の過程を身にしみて感じる、エグいシナリオ進行。完成され尽くしたターン制大戦略システムにさらなる深みを与える、SLRPG的進化・改良システム。
×もはやマニア意外には理解不能、どころかマニアでもてこずる設定の細かさ。
総合★★★ブランドを代えて息づく「大戦略」の血統。


アドバンスド大戦略98II 〜Storm over Europe〜
セガ(Windows)
昼夜・高度システムの追加により増した戦略性。架空兵器に出番を与える敗戦後シナリオの追加。夢を与えるドイツ勝利シナリオの追加。
×その代償に失われた詰め将棋的難度。
総合★★過ぎたるは及ばざるが如し。

アドバンスド大戦略2001
セガ(ドリームキャスト)
シナリオバランスの全面的見直しにより取り戻した歯ごたえ。挑戦心をくすぐる耐久度収納・捕獲・方向ルールの追加。ヌルマ湯なシナリオ移行に天誅を下す懲罰的難度シナリオの追加。
×テレビは解像度がヘタレだと認識させてくれたこと。画面の情報量不足。
総合★★♪
最終完成形はPC逆移植版へ。


Championship Manager
EIDOS INTERACTIVE/Sports Interactive(Windows)
ポリゴンもアニメもばっさり切り捨て、現実のサッカー界のシミュレーティングを追及したストイックそのもののシステム。世界中のサッカーリーグ/プレイヤーが登場し、その処理のためだけに結構なマシンパワーを要求する程の恐ろしいまでのパラメータデータ量。
×一生のお願いです、日本語版を……無理か。
絵がない…文章だけ…
総合
★★★…だけど、それがどうした! 魂を揺さぶる野郎どもの野太い歓声を聴け!


RPG/SLRPG

BLACK/MATRIX
NECインターチャネル(セガサターン)

イケてるキャラデザ、ダンス系してるノリの良い音楽。SLGとしてかなり楽しめるシステム。サルの如く進めてしまうテンポの良さ。
×着想は良いが、シナリオ・戦闘システムにやや見られる練り込み不足。特にゲーム後半の駆け足感。いるだけ感がぬぐえない追加サブキャラのぞんざいな扱い。全体に漂う未完成感。
総合★★素性良し。産駒(移植版)に期待。


ドラゴンクエスト7
エニックス(プレイステーション)
ドラクエらしさを真空パックしたようなシステム。冒険、探索、出会い、別れ、そして成長の物語を嫌味なく描き出すシナリオ。結構泣ける。
×そこはかとなく感じるツギハギ感(例:3Dムービーシーン)。見失ってはいないけど迷いありありのRPGというシステムの扱い。開始後数時間に渡り戦闘ナシ、はいかがなものか。
総合★★再会したら落ちぶれていた敬愛する先輩。


ACG/RCG

鋼鉄の咆哮
光栄/マイクロキャビン(Windows)

ありそうで誰も作らなかった軍艦シューティングというコンセプトに拍手。撃ちまくってふっ飛ばす爽快感、楽しい楽しい艦船設計システム。
×クリアして、一通り船作って…その後の楽しみには欠ける。ボーナスステージはあるが条件が遠い!
総合★★ブランドと素材の祝福された融合。出来の良い異端児(光栄的に)。

グランツーリスモ
SCEI/ポリフォニー・デジタル(プレイステーション)
車種ごとの癖を掴み乗りこなす…気分。お尻でスライドを感じる…気分。自分好みのチューンドマシンを作り上げガレージに陳列する…気分。美しい風景のサーキットを疾走する…
×単調にしてハイレベルに過ぎるライセンステスト。遅いクルマは徹底して遅いので純粋にRCGがしたい人には、ちょっと。
総合★★★♪過去を一気に陳腐化させたRCG界の戦艦ドレッドノート。


グランツーリスモ2
SCEI/ポリフォニー・デジタル(プレイステーション)
エンスー感涙、特にマニアックで個性的な方面において大幅に強化された車種バリエーション。さらに綺麗になった車グラフィック。
×その代償に間引きされてしまったかのような背景ポリゴン。風景台無し。
総合★★★「車種の違いが決定的な戦力の差でないことを…見せてやる!(スバル360にて)」

グランツーリスモ3 A-Spec
SCEI/ポリフォニー・デジタル(プレイステーション2)
とにもかくにも綺麗なグラフィック。グループC・F1等等ドリームマシンの追加。改善されたレースバリエーション。ラリー面でのコントロール性の改善。
×改悪されたゲームバランス。上位クラス移行の途中で明らかに感じられるキツい壁。上のクラスに行けば行くほどガマン大会になってしまうレース周回数設定。肝心なところが外されてスカスカに間引かれてしまった車種バリエーション。

総合★★一流の板前による旬を外したやっつけ料理。


ギャルゲー

Noel 〜La Naige〜
パイオニアLDC(プレイステーション)
「コミュニケーションによる恋愛」のシミュレートに挑んだ意欲的なゲームシステム。こちらの反応で相手の反応がダイレクトに変わっていく恋愛感。結果、丹念に練り込まれた女の子の人物描写。
×慣れを強要し、かつ慣れても操作ミスを多発させる劣悪な操作性。攻略本が無ければクリア以前にゲームの魅力を味わえないシステム。毎日毎日何回電話すればえーんじゃゴルァ!
総合★♪早過ぎた意欲作。にして実験作にして失敗作。完全なるバーチャル恋愛はまだ遠い。


トゥルー・ラブ・ストーリー Remember My Heart〜
アスキー/Bits Laboratory(プレイステーション)
望めど得られなかった物への郷愁をかもし出す、ストイックなまでに甘酸っぱく不器用な恋愛描写。それと相まってアバタもエクボのダサい絵柄。サクサク攻略できる程良いコンパクトさ。
×一部消化不良なステロタイプ気味の人物描写。豪華なのはいいが一部に感じなくもない声優のミスキャスト。
総合★★★♪ギャルゲーに蘇える少女マンガ的恋愛世界。


トゥルー・ラブ・ストーリー2
アスキー/Bits Laboratory(プレイステーション)
キープコンセプト。セーラー服でストイック度倍。女の子の性格・声優でダメ度さらに倍。
×前作から若干損なわれてしまったコンパクトさ。薄れたノスタルジックな味わい、代わりに舌に付くギャルゲー風味。
総合★★痛し痒しの正常進化。


トゥルー・ラブ・ストーリー3
エンターブレイン/Bits Labolatory(プレイステーション2)
一大転換の非攻略ストーリー。既存のシステムも残しつつ、「コマす」ことが目的ではなく、下校会話も告白もなく、静かにストーリーを追うことになる女の子キャラの導入。「恋の物語」という思想への原点回帰を目指したチャレンジ精神。
×完全に失われたコンパクトさ。ゲーム中期間一年はさすがにダレる。その上攻略対象が4人では目移りもできなくてダルさ倍増。おまけに運任せのイベント発生でダルさ三倍増。ゲーム進行中に心に去来する不毛感。
総合
★★都会で舞い上がってる田舎娘。土に塗れて微笑んでくれればそれでいいのに。

EVE burst error
シーズウェア/イマディオ(セガサターン)
超豪華な声優陣の素晴らしい熱演に花マル。旧態然としたコマンド総当りシステムを忘れさせる、グイグイ攻略せずにはいられない牽引力万点のシナリオ。全く読めない先の展開…
×…と思ってたら結局最後まで読めなかったシナリオの整合性。
総合★★★バブルの時代の勢いと力技の勝利。岡本麻耶ブラヴォー!!


この世の果てで恋を唄う少女YU-NO
エルフ(セガサターン)
シナリオ=システム。詰まる→戻る→別の選択肢を試す…のAVGの過程がそのままシナリオの根幹を成す斬新な着想。時を駈け、迷路のように繰り返され分かれていく歴史を彷徨い、何度も悲劇に立会い、涙を堪えながら世界の果てへと疾走する激動のストーリー。
×息切れしたか、駆け足チックに退化した最終章。理屈は解るけどピンと来ない結末。
総合★★★♪AVGの進化の頂点。穴はあるけれど…


エロゲェ

Kanon
Key(Windows)

素晴らしい音楽。ごはん五杯はイケる涙のツボ突きまくりのシナリオ。泣ける、とにかく泣ける……
×……のはいいが、その後に訪れるどこか釈然としないもの。
総合★★★「もしあなたが神ならそのシナリオで十万人を泣かせることができるでしょう」
とか最初に言い出したのは誰なのかしら。

To Heart
Leaf(Windows)
何は無くとも、素晴らしいおとぎ話っぷりのマルチ(HMX-12)シナリオ。…だけでなく、接し、すれ違い、近づいていく過程を丁寧にたどるよく出来たシナリオたち。だらだらと過ごし女の子と話すだけでも楽しいと感じさせてしまう、ゲーム全体のテンポの良さ。
×例外にしては目に余る、キャラごとのシナリオの出来のばらつき。ほのぼのとした雰囲気に水を差すHシーンのスケベさ。
総合★★★♪金字塔。アンチすらもここから生まれた。


殻の中の小鳥/雛鳥の囀
Studio B-ROOM(Windows)
メイドさんブーム発祥の地。ゲーム世界に悲愴な影を落とす、貧困がための身請け。所有し仕える封建関係の中に生まれる人間模様。そのストーリーを支えるカードゲーム式調教システムのしっかりした作り。
×近頃のゲームに慣れた目にはやっぱり少な過ぎるイベント。あまりにもルーチンワーク然とした調教以外のコミュニケーション。読むにはいいが萎えてしまう気合入りすぎのテキスト。
総合★★今なお威厳を保つ古典。ビバ階級社会、ブラボー貧富の差。