アストラルバウト

販売元:(株)キングレコード
発売:1992年6月
使用ハード:スーパーファミコン

<ストーリー>
 現代に蘇った、総合格闘技大会「パンクラチオン」。主催者の神堂鉄山(マ○大山)の掛け声に応じ・・今、コロシアムに9人の格闘家(プロレス、空手、ボクシング、柔道、マーシャルアーツサンボ、ムエタイ、中国拳法、ルチャ・リブレ)が集まった・・・。

<操作方法>
 十字キーで移動。ボタン配置は、攻撃弱(主にパンチ)&強(主にキック)&特殊(ソバットなど)、ガードの4種類。
 十字キーとボタンの組み合わせ、それと相手との距離によって、技が変化する・・という、おなじみのシステム。ダッシュは→→という感じ。
 あと特殊操作として、L&Rでフットワークが使えるので、これで中国拳法(八卦掌とかのね)の円の動きも再現できるぞ!・・実戦では役に立たないけど。
 まあこういう、ごきげんな操作方法で自分のキャラを動かし、9人+αの敵を叩きのめしていっちゃおう・・・というゲームなのです。(決着は、KO&ギブアップ。ラウンド制なら判定もあり。)

<どこがプロレスゲームやねん?>
 そんな疑問をお持ちの貴方は、使用キャラの種別に注目!!なんか約一名、ものすごく場違いな人が入ってませんか?・・・そう「ルチャ・リブレ」!!
 普通の格闘ゲームなら、たいてい、テコンドーや柔術が入るんだけど・・・何故か「ルチャ・リブレ(自由への戦い)」。
 この辺の所が、このゲームをして「プロレスゲー」と言われる由縁なんでしょう。プロレスファンの心をくすぐる、いいチョイスですね。

<遊んでみよう>
 というわけで・・「ルチャドールが、異種格闘技戦で戦えるんか?」という疑問を抱きつつも、ルチャ戦士のスペル・ファルコン(写真)を選んでゲームスタート!!
 プロレスファン、特にJrやルチャ好きならば、彼を使わずに、誰を使うというのだろうか?(反語)

<しかし・・・・・・>
 予想通り、ムエタイの殺人ラッシュ(キックの打ち分けと首相撲地獄)の前では、ほとんど人間サンドバッグ状態。
 サンボの「アキレス健固め」&「ビクトル逆十字」関節フルコースにも同じく成すすべ無し。
 一応、ロープワークも使えるので、やろうと思えば「フライングクロスチョップ」でも、「サマーソルトキック」でも出来る・・けれど、どれも実戦では、子ども遊びに等しいのが悲しい。
 投げ技の「Wアームスープレックス」や「ツームストンパイルドライバー」「ネックチャンスリードロップ」は、結構威力があるんだけど、掴みにすらいけないのがほとんど(←リアルですね)。
 上の画像のように、ムエタイ戦士に「ジャーマンスープレックス」を、かますとなると、結構上級者じゃないと出来ないっす。
 せめて、柔道みたいに双手刈り(タックル)が出来れば、グランドに持ち込めるんだけど・・・ あくまで「見せるプロレス」にこだわるスペル・ファルコンの技に「タックル」という文字はないのであった・・。(ちなみにトペは禁止、というすげー理不尽なルールだったりする)

<それがプロレス!>
 んが〜!!勝つ気はないのか!! スペル・ファルコン!?(>_<#)何の為に出場しているんだ・・単なるウケ狙いか・・・?
 ・・・・・・いや違う!
 彼は「プロレスとは何か?」という事を、身を持って示しているのだ。
 殴られても蹴られても戦い続ける、彼の姿は「まさにプロレス」。
 噛み合わない相手や、しょっぱい相手との試合でも、かかんに空中殺法を見せる(・・というよりそれしか出来ん)彼の姿には、いつしか感動さえ覚えずにはいられない。
 「勝負に勝つのは難しくない。だが、プロレスは本当に難しい・・・・」
リング上で、マグロの様に横たわる彼の姿を見ながら、何度このセリフを吐いたことか・・・。
 スペル・ファルコン。彼こそは、勝利を越えた所にある「プロレス」の体現者なのだ!!・・・たぶん。
 だからこそ、このゲームも「格闘ゲー」ではなく、「プロレスゲー」なのである!・・・・たぶん。

<ゲーム内容のまともな感想>
 知る人ぞ知る、レトロ&マイナープロレス(厳密にいえば、U系異種格闘技)ゲーム。
 もう7年も前のゲームなので、今のゲームに慣れた目で見ると「とにかく地味」・・・この一言につきます。
 でも、個人的には「操作性、楽しさ、雰囲気」の3つがそろった、面白い&濃いゲームだと思うので、けっこう気に入っていたりもするのでした。(打撃のラッシュは楽しいし)
 基本システムの「打撃&ガード&つかみ技」3すくみもしっかり出来ているし、「打撃系格闘家が、てきめんにサブミッションに弱い」とか「ボディーに攻撃をくらいすぎると、ダメージが足にくる」、「中国拳法のじじいが打たれ弱い」・・・・など細かい所まで、ちゃんと作られていますしね。
 また、こういう見下ろし型の格闘ゲームに、ありがちな欠点もないのも良いです。(ちゃんと縦方向にも攻撃が出せるし、あんまりダウンしないので試合の展開もだるくないです)
 欠点といえば・・・・もう、とにかく地味。これにつきます。あとは、競技人口(プレイヤー)の少なさ!!だいたい、このゲーム、知ってる人すらほとんどいないよ・・(T_T)(ちなみに、晴れてリングス公認になったのは続編の2から)

 中古ソフトショップなどでは、数百円で売られているらしいので、見かけたときは、ゲットしてみてもいいかもしれません。

98.5.22(シロネコ)


   シロネコさんが投稿してくれました。シロネコさん、ありがとう。