[ 1ヵ月ぶりの更新 ]
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新刊が出るわけでもないのに、あたふたと日々の雑務に終われ、しばらくぶりの更新です。
先日、親しくさせていただいている版元の社長さんから連絡をいただいた。弊社が設立したころとほとんど同時期に版元になられた会社が、出版から手を引いているという連絡でした。
この会社は、出版ファンドといって、出資者から資金を調達し本を制作販売し、利益を分配するという方法を業界に初めて取り入れたということで鳴り物入りの参入でした。
ところが、よく調べてみると、この方式で出した本はほんの数冊程度で、後はすぐに業態を変えられたようです。
この方法では、利益が必ず出ることを前提に出版しなければなりません。利益が出なければ配当もないわけですから、最低でも出資した資金と利息ぐらいは払わなければ出資者は納得しないでしょう。
それも出来ずに終わられたようなので、結局のこと本が売れなかったのでしょうが、そもそも出した本が必ず売れるということに誰も異議を唱える人がいなかったのでしょうか。
本はなかなか売れません。特にチビ出版社の本は、書店にさえ並びません。社歴100年の版元さんでさえ、倒産寸前のところがいくつもあります。
私もそうでしたが、若者の思い込みは、何の根拠も必要としません。それが命取りになると、10年たってやっと分かるようになってきました。
2005/09/20(Tue)
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