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「デッド・マン・ウォーキング」 2004年06月21日(月)

先日図書館でなんとなく借りたのがこの本。
同タイトルの映画の原作です。
映画のストーリーは漠然とは知っていたのですが、実話とは知りませんでした。
実際に死刑囚と文通していたシスターの手になるこの本は、「死刑の是非」というとても重いテーマです。

シスターは、「殺人は許せないこと。でも、その許せないことを犯したからといって、州(国)の名のもとでの殺人(死刑)もやはり許せない」という死刑反対論者。
一方、自分の家族がそのような暴力の犠牲になった人は、当然、「犯人にも自分の家族と同じような苦しみを」と願っています。
この本では、このシスターの活動、被害者の家族とのかかわりにおける心の葛藤などが描かれています。
アメリカは州によって死刑が実施されるかどうかが異なります。
また、この舞台となったルイジアナ州では、「黒人を殺害した白人」よりも「白人を殺害した黒人」の方が死刑になる確率が圧倒的に高く、また、黒人が犠牲者となった殺人事件では犯人の検挙率が非常に低い、といった人種差別的な要素もあるようです。

あまりに難しいテーマで、読み終わった後にもなんと考えてよいかわかりませんでした。
願わくば、このような活動すら不要になるような、そして、この本に登場する家族の方と同じ苦しみを味わうことがないような、世の中が訪れますように。。。

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